Dr.インスリンの1型糖尿病教室

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インスリンをつくる細胞が破壊される病気

自己免疫 インスリンが作られているのは、胃の裏側にあるすい臓。ここには、「ランゲルハンス島」という組織が小さな島々のように点在しています。このランゲルハンス島の中の「β細胞」が、インスリンを作っては貯蔵し、必要があれば分泌する役目を果たしています。

1型糖尿病にかかるとインスリンの分泌ができなくなるのは、血液中の「リンパ球」がβ細胞を破壊するため。リンパ球はふつう、体の害となる細菌などが進入した場合に、これを取り囲み、攻撃します。ところが、この場合、誤って自分自身の細胞を標的にしてしまうのです。こうした内乱現象を「自己免疫」と呼びます。

原因はいろいろ考えられる
主な自覚症状はっきりとした原因はまだわかっていませんが、いくつかの遺伝子と環境要因が複雑に結びついた結果、発症すると考えられています(ただし、両親のいずれかから病気を受け継ぐ「優性遺伝形式」をとるケースはほとんどなく、また、生活習慣が直接の原因となることもありません)。なかには、2型糖尿病により長期間、高血糖状態を経験したり、内服薬を服薬し続けたため、すい臓が疲弊して1型糖尿病となる場合もあります。

主な症状としては、右のイラストのとおり、のどの渇きや頻尿、激しい空腹などがあります。

怖いのは低血糖症と高血糖
血液中のブドウ糖の量を調節できなくなると、低血糖症や高血糖が起こりやすくなります。

【低血糖の場合】
引き金となるのは、インスリン過剰運動によるエネルギー消費糖質の摂取不足食事時間の遅れなど。また、大人の場合は飲酒も原因となります。空腹感があり、発汗、動悸、過呼吸、震え、悪心といった症状が突然あらわれ、悪化すると異常行動や失見当識、意識障害、ひどいときには昏睡状態に陥ることもあります。

【高血糖の場合】
高血糖状態が続いたとき、警戒しなくてはならないのが「糖尿病性ケトアシドーシス昏睡」です。インスリン治療の中断やストレスなどが原因となりますが、なかでも多いのは、感染症などにより、過度にインスリンを減量したことで引き起こされるケースです。血液はふつう中性〜弱アルカリ性のPH7.4ですが、ケトアシドーシスでは酸性となってしまいます。ケトアシドーシスが進行すると、嘔吐や脱水症状が始まります。そのうち呼吸の乱れ、悪心、腹痛も起こり、やがて昏睡状態となり、生命が危険に脅かされます。

合併症も心配・・・三大合併症とは?
糖尿病の3大合併症は、腎臓の働きが低下する「腎症」、目の病気「網膜症」、手足のしびれや立ちくらみをともなう「神経障害」です。

腎症 網膜症 神経障害
腎症 網膜症 神経障害
血糖コントロールがうまくおこなわれない状態が続くと、腎臓にも異変があらわれます。まず、本来、ろ過されないはずの「アルブミン」というたんぱく質が尿に混じるように。これを放置すると、そのほかのたんぱく質も尿に混ざるようになっていきます。やがて、むくみや高血圧、貧血が起こり始め、血液中の老廃物がたまって尿毒症の状態になってしまいます。
血糖値が高い状態が長く続くと、目の網膜に変化が起こり始めます。最初は網膜の毛細血管にこぶのようなものができ、出血しやすくなります。また、白い斑点もあらわれます。症状が進むと、血管がつまり、酸素が十分に行き届かないため、もろくて出血しやすい血管が作られるように。出血するたびにその部分がひきつれ、網膜が剥離。視力低下が起こり、失明する可能性もあります。
手足のしびれや神経痛などが起こります。また、自律神経が冒されると、立ちくらみや残尿感、胃もたれ、発汗異常が見られることもあります。

このほか、大血管のダメージによる動脈硬化、心筋梗塞、脳血栓、脳出血などの病気も起こりやすくなります。


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